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2020.12.25

木星と土星がくっついた!

メリークリスマス!

はい、画像処理開発兼天体観測担当の小林です。

すでにニュースなどでご存知だと思いますが、2020年12月21日~22日にかけて空に見える木星と土星がほぼ同じ位置になりました。一等星以上の明るい星が同じ位置に見える現象は珍しいのですが、それが惑星同士となると数百年に一回といった超レアケースになります。まさに「SSR」。ニュースでも400年ぶりの現象と言ってますね。ちなみに星が同じ方向に並ぶことを会合といいます。

木星は約12年で太陽を一周し、土星は約30年で一周します。そうすると約20年おきに木星が土星に追いつき、そのタイミングで地球から見ると木星と土星が同じ方向にあるので並んで見えます。でも木星と土星の軌道はわずかに傾いているため、今回のように地球から見て0.1°の間隔まで近づくことは非常にまれなのです。ニュースや新聞では実に400年ぶり、そして次は60年後、と言われています。

0.1°まで近づくとはどれくらい近いのでしょうか。手元の分度器を見て、細かい目盛りが1°ですからその1/10の間隔、です。そういうとめちゃくちゃ近い気がしますが、満月の1/5くらいの間隔なのです。空は意外に広いんです。でも望遠鏡で見ると土星の輪が見えるくらい倍率を上げても同じ視野に木星が入るくらい近いです。

望遠鏡での写真(約250倍)

望遠鏡を覗くとこんな感じで見えます。木星の衛星が2つとよ~く見ると土星の衛星も写っています。実際は木星が非常に明るく土星は暗い、その衛星はさらに暗いのでこのような写真を撮ることはできません。この写真は木星が綺麗に写った写真(土星は暗く衛星は見えない)と土星が綺麗に写った写真(木星は真っ白)と衛星が写った写真(木星も土星も真っ白)を合成しています。いわゆるHDR合成です。いや~同一視野に2つの惑星が形が判るほどの倍率で見えるなんで感無量です!

折角だから沈みゆく2つの惑星をタイムラプスで撮って見ました。後半には望遠鏡映像もあります。

沈む二大惑星と同一視野の望遠鏡映像
再生を始めてから右下をタッチして全画面で見ないと星が小さくて見えませんのであしからず(^_^;)

さて、400年ぶりのレア現象と言われていますが、400年前はどのように見えたのか気になりませんか?

エンジニアたる者、ニュースを鵜呑みにしてはいけません。常に疑ってかかり検証し正しい結論を導き出す必要があります!

というわけで、シミュレートしてみることにします。まずは今回の現象。

2020年12月22日17時40分ごろの西空。まだ空は薄明が残っていますがはっきり見えます。え?見えない?真ん中あたりをよく見てください。

では次に400年前。

時は1623年7月17日18時35分ごろの西空。正確には397年前です。あれ?太陽がまだ沈んでいませんね。上と同じような位置に木星と土星が並んでいるはずなんですけれど、空が明るくて全く見えません。

そうなんです。実は前回0.1°まで木星と土星が接近した1623年は見える方向が太陽に近すぎて実際には見えなかったのです!

大阪夏の陣から10年。ようやく安定し始めた江戸時代の人々は並んだ惑星を目にすることはありませんでした。もちろん地球上のどこでも条件は同じなのでフランスのルイ13世も見ることはできませんでした。

そうすると人類が目にした前回の木星と土星の超接近はいつなのでしょうか?

計算してみると、それは1563年8月26日の早朝の出来事でした。

午前3時30分。草木も眠る丑三つ時、ではなく寅二つ時。東空の暗闇に明るく隣接する二大惑星!最高の条件ですね~会社を休んで撮影するレベルです(笑)。しかし日本は戦国時代真っただ中。人々は真夜中に繰り広げられる天体ショーを愛でる余裕は無かったかもしれませんね。NHK大河ドラマの「麒麟がくる」でも十兵衛が木星と土星の会合を見るシーンはありませんでした(笑)

正確にシミュレートしているとタイムマシンに乗った気分です。ついでに未来も見てみましょう。次回の60年後、というやつ。

2080年3月15日午前5時37分ごろ。早朝でやや明るくなった東空に二大惑星が輝いています。ちと見にくいかな~。南(右側)にある下弦の月が綺麗です。

そして、これ以降0.1°以内に接近するのは2417年8月25日、2477年7月7日と遠い未来になります。さらにその次の2874年12月25日のクリスマスはなんと0.03°まで近づきます。

上と同じ望遠鏡写真をシミュレートしてみたらこんな感じです。もう衝突しそうですね!!恐らく肉眼では1つの星に見えるでしょう。

夜空の条件も最高です。天の川のほとりで重なり輝く二大惑星!すばらしいクリスマスプレゼントです!あと854年後か~早く見てみたいなぁ~

世の中は新コロナの蔓延で厳しい日常が続いています。地面の移動は制限でいっぱいです。しばし足を止めて夜空を見上げて垂直移動を楽しんでみてはいかがでしょうか。先月は願い事を10個言えそうな大火球もありましたしね。上を向く分にはマスクなしでも問題ないので、しばし深呼吸でもしながら・・・

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