Case Study
動画や静止画の活用が増え、スマホやパソコンなどは私達の日常とは切っても切り離せないものとなりました。その画像の質と深く関わりがあるのが解像度です。 高解像度であれば画質が良くなると思われてはいますが、その理由を理解している方は少ないのではないでしょうか。 そこで、この記事では、解像度の概要と高解像度になることでもたらすメリット、低解像度から高解像度化する製品とメカニズムついて解説します。ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
解像度は画面を構成する点の密度をさし、1インチ(約2.54cm)の1辺にある点の数を表します。 よく聞く解像度の単位として「PPIやDPI」などがありますが、意味は同じです。この単位は写真などの印刷物において使用されますが、光学系とカメラで撮影された画像をモニターに映し出す際には使用されません。 一方で、度々耳にするピクセルやドットは画素数の単位です。ここからは解像度や画素数について解説します。解像度については、ディスプレイに映し出したものを取り扱っていますので、印刷物のものと混同しないようにしましょう。
解像度とは、単純に画像がどのくらいシャープに映されているかということになります。解像度がいい画質にするためには、レンズの解像度がとても重要です。 よくカメラの画素数ばかり気にされがちですが、レンズの解像度が落ちればいい画質で撮影することはできません。 ちなみに、解像度には3つの種類があるのをご存知でしょうか。 ●画面解像度・・・デジタル画像の画素の入出力密度 ●デバイス解像度・・・入出力装置の解像度 ●スクリーン線数・・・ハーフトーンスクリーンで印刷する場合のハーフトーンセルの出力密度 私たちが普段生活していてよく目にするのは画面解像度で、モニターやプリントの表現に使っています。
画素数には、センサー画素数とモニター画素数があり、撮影された映像解像度はセンサー画素数に依存します。例えば、モニター画素数はセンサー画素数が4Kならば、4K以上で劣化なく表示可能です。しかし、センサー画素数以下であればその分劣化して解像度が落ちて表示されてしまいます。 一方で解像度は1画素の角度で表し、10m先の1mmが1画素なら解像度は0.006°=20秒です。 レンズの焦点距離によって変化し、広角だと低くなり望遠だと高くなるため、用途に応じてレンズとセンサーを適切に選ぶ必要があります。ただし、望遠では映る範囲が狭くなり、逆に広角は広くなるため、解像度と撮影範囲はトレードオフといえるでしょう。 例えば、画角が90°のレンズをFHDのカメラで撮影すると解像度は90°÷1920画素=0.047°なので、10m先の1画素は8.2mmです。従って10m先の1cmを認識できる解像度を意味します。
近年、コロナ禍でテレワークも増えたため、モニター(ディスプレイ)やプリンターなどを使用する場面が多くなりました。それにつれ「解像度」という言葉を目にする機会も増えました。 モニターの解像度が低いと表示された画像や文字が見づらくなったり、プリントした画像や文字がぼやけたりしてしまいます。 近年は個人の写真を撮る機会の増加や、企業も自社でHPを作成する機会が多くなり、使用する画像は綺麗なものを使用することが重視されるようになりました。このような背景もあり、解像度が高く、より美しく鮮明な画像が求められているのです。
高解像度のディスプレイやプリンターを使用するメリットはいくつかありますが、ここでは現場での実用性に焦点をあてて2つのメリットを説明します。 高解像度に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
メリットの1つ目は、品質チェックにも活用できることです。 例えば生産ラインで導入される監視カメラが高解像度で、きめ細かく綺麗であれば、品質のチェックや分析に活用できます。 特に食品製造現場であれば、異物混入などの原因究明も正確かつスピーディに行えるでしょう。このように高解像度の画像であれば、さまざまなジャンルの品質管理に寄与すると期待できます。
メリットの2つ目は、夜間や悪天候時でもより鮮明な画像となるため屋外での河川や建設現場の監視等に役立つことです。 低解像度であると、悪条件下の画像はぼやけてしまいがちです。画像が不鮮明であると、万が一の事態が起こっても、原因の究明等が困難となります。 一方、高解像度であれば、条件が悪い中でも鮮明な画像となり、監視等の本来の役割を果たせるでしょう。
解像度が低くぼやけてしまう画像でも、綺麗にする方法はあります。 ほとんどのピンボケは、撮影時にはあった複数の線が一本の線のようにまとめて可視化されてしまうことが原因です。 一度そうなると、一般的な画像編集ソフトでは復元は不可能です。 しかし、復元高解像度化技術「Re:Na®️」であれば、独自の算術アルゴリズムにより元画像の周波数を分解・再計算し、高解像度の画像を再現できます。 Re:Na®の強みは「画をつくらない」ことです。これまでにも低解像度の画像を改善する技術はありましたが、多くはAIなどを用いて元の画像を加工しています。Re:Na®は画像に含まれている元データを分解し、復元したうえで高解像度化できる点が特徴です。
今回は、高解像度について注目されている背景やメリットなどについてご紹介しました。 カメラそのもののスペックや、保存容量の問題などから解像度が低い条件下での撮影となる場合も多くあります。しかし、Re:Na®️の技術を使えば、元の画像を高解像度で再現可能です。 Re:Na®️は元の画像が持つデータを活かして「復元」するため、より精度の高い高解像度化が可能になる技術です。読み取れずに困っていた画像の解析や劣化した画像の復元などにも役立つでしょう。
「ピンボケ」「シャッター振れ」「解像度不足」などの原因による画質劣化を元画像の周波数を分解して再計算することで、元のデータを高解像度で再現するロジック・アンド・デザインならではの技術です。さまざまな要因により高解像度で撮影できない、もしくは読み取れない画像をPC上で本来の姿に近づけます。
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